70代、「貯める」から「使う」への大転換
「銀行の残高が減っていくのを見るのが怖い」。
70代の相談者様から、最も多く聞かれる言葉です。
現役時代からコツコツと貯蓄に励み、老後資金を準備してきた真面目な方ほど、いざ資産を「使う」段階になると、強い心理的抵抗を感じてしまいます。
しかし、お金は使わなければただの「数字」に過ぎません。
人生の後半戦において大切なのは、残高を維持することではなく、資産を賢く「取り崩し」ながら、ご自身の健康や家族との思い出、そして生活の質を維持することです。
本記事では、70代が直面する「使えない悩み」を解消し、安心して資産を使いこなすための戦略をお伝えします。
なぜ「使うこと」が怖いのか?心理的ブロックの正体
まずは、その不安の正体を客観的に見つめてみましょう。
- 「長生きリスク」への過度な恐怖
「100歳まで生きたら底をつくのでは?」という不安です。
しかし、統計的に見れば支出のピークは70代で、80代後半以降は活動量が減り、自然と支出も落ちていく傾向にあります。
- 「介護費用」の予備費に対する誤解
「介護にいくらかかるか分からないから、一円も減らせない」と考えがちですが、介護費用は本来、親の資産から出すべきものです。
必要以上に聖域化せず、適切な予算化が必要です。
- 「子どもに残してあげたい」という親心
ですが、子どもたちが一番望んでいるのは、親が最後まで自分のお金で楽しく、元気に暮らしている姿です。
安心を生む「資産寿命」の可視化:4%ルールと定率取り崩し
「いくら使っても大丈夫か」が分からないから怖くなるのです。
ここで有効なのが「取り崩しのルール化」です。
- 定額取り崩し(安心型)
毎月○万円、と決めて引き出す方法。
家計管理はしやすいですが、相場が下がった時に資産が減りやすい欠点があります。
- 定率取り崩し(長持ち型)
「残高の4%」というように、割合で引き出す方法。
残高が多い時は多く使え、少ない時は引き出し額も減るため、資産寿命を飛躍的に延ばすことができます。
- 「見える化」の効果
今の資産を運用しながら毎年一定額を引き出した場合、何歳まで持つか。FPが作成する「キャッシュフロー表」で、95歳や100歳時点の残高をシミュレーションすることで、多くの皆様が「こんなに使っても大丈夫だったんだ」と安心されます。
「死に金」にしないための、賢いお金の使い道
70代からの支出は、未来への投資ではなく「今この瞬間への投資」です。
- 健康と予防への投資
歯科検診、バランスの良い食事、適度な運動。
ここでのお金を惜しまないことが、将来の大きな医療費・介護費を抑える最大の手立てになります。
- 思い出への投資(孫への教育資金贈与など)
子どもや孫に「自分が死んでから」お金を渡すよりも、今、一緒に旅行に行ったり、孫の教育費を援助したりして、その喜ぶ顔を直接見ることの方が、はるかに価値のある使い方ではないでしょうか。
- 住宅のメンテナンス
80代になってからリフォームするのは気力・体力が追いつきません。
70代のうちにバリアフリー化などを行い、「最後まで自宅で快適に過ごせる環境」を整えるのは賢い選択です。
子どもに迷惑をかけない「終活」としてのお金管理
遠方に住むお子様がいる場合、あなたが「いくら持っていて、どう使うつもりか」を知らないことが、一番の不安要素になります。
- 「財産目録」の共有
隠すのではなく、「これだけあるから、自分たちの老後は心配ない。
余ったらあなたたちで分けなさい」と伝えることで、お子様も自分たちの将来設計が立てやすくなります。 - 自動取り崩しの仕組みを作る
証券会社の「定期売却サービス」などを利用し、自動的に年金に上乗せされる仕組みを作れば、毎月「引き出す痛み」を感じずに済みます。
よくある質問(Q&A)
- 「お金を使いすぎて、途中で足りなくなったらどうしよう」と不安です。
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その不安は、とても自然なものです。だからこそ大切なのは、「感覚」で使うのではなく、「ルール」を決めて使うことです。
例えば、「金融資産の3〜4%以内を毎年取り崩す」という方法であれば、資産寿命を大きく縮めにくいとされています。また、年金収入で生活費の大部分をまかなえているご家庭なら、取り崩すのは“人生を豊かにする部分”だけ、という考え方もできます。
旅行や趣味、外食などに使う予算をあらかじめ決めておくと、罪悪感なくお金を使えるようになります。 - 子どもにできるだけ財産を残したほうが良いのでしょうか?
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多くの親御様がそう考えますが、実際には「親が元気で楽しく暮らしてくれていること」が子ども世代にとって一番の安心材料です。
特に70代は、子ども世代も50代前後になっているケースが多く、相続よりも「親の介護や生活負担がないこと」を望む傾向があります。むしろ、
- 元気なうちに一緒に旅行へ行く
- 孫の進学を少し応援する
- 会いやすい住環境へ整える
こうした“今渡せる価値”のほうが、家族の満足度は高いことも少なくありません。
- 介護費用はどれくらい残しておけば安心ですか?
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介護費用は「青天井」のように感じますが、実際には公的介護保険制度があるため、自己負担には一定の上限があります。
もちろん、施設入居や医療状況によって差はありますが、「介護が怖いから一切使えない」というほど過度に身構える必要はありません。大切なのは、
- 在宅介護を希望するのか
- 施設入居を想定するのか
- 子どもにどこまで頼るのか
を家族で共有しておくことです。
“いくら必要か分からない不安”は、話し合いと試算によってかなり軽減できます。 - 投資を続けながら取り崩すのは危険ではないですか?
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70代になると「もう運用はやめたほうがいいのでは」と感じる方も多いですが、実は“全部現金化”にもリスクがあります。
インフレで物価が上がる時代では、預金だけではお金の価値が目減りする可能性もあるためです。そのため、
- 生活費数年分は預金
- それ以外は安定的な運用
という形で、“使うお金”と“育てるお金”を分けて考える方法が現実的です。
特に、配当や分配金がある資産を活用すると、「元本を大きく減らさずに使う感覚」が得られ、心理的な安心感につながる方も多くいらっしゃいます。
- 夫婦のどちらかが認知症になった場合、お金の管理はどうなりますか?
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これは70代以降に必ず考えておきたい重要テーマです。
認知症になると、本人名義の口座や資産が凍結され、家族でも自由に動かせなくなるケースがあります。そのため、
- 家族信託
- 任意後見契約
- 財産一覧の整理
- 口座や契約情報の共有
などを、元気なうちに準備しておくことが大切です。
特に遠方に住むお子様がいる場合は、「どこに何があるか分からない」が一番困るポイントになります。
“終活”は、残される家族への思いやりでもあります。
FPからのアドバイス:人生のご褒美を受け取る時期です
70代は、これまで一生懸命働いてきた「ご褒美」を受け取るべき時期です。
資産を減らすことは「負け」ではありません。
上手に使い切り、豊かな人生を完走することこそが、資産形成の真のゴールです。
もし「自分の場合は何歳まで大丈夫か、一度計算してほしい」と思われたら、ぜひ私たちにご相談ください。
数字の裏付けがあるだけで、明日からの1万円の使い方が、不安なものから楽しいものへと変わるはずです。
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家計管理、貯蓄、保険の見直し、老後資金など、
お金の悩みはご家庭ごとに状況が異なります。
インターネットの情報だけでは
「自分の場合はどうなのか」が分からず、不安が解消されないことも少なくありません。
当事務所では、沖縄県那覇市を拠点に、
ファイナンシャルプランナー(FP)が一人ひとりの状況を丁寧にヒアリングし、
家計全体を整理したうえで、今後の方向性を分かりやすくご提案しています。
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