「去年までは大丈夫だったのに……」
健康診断の結果を受け取り、脂質や血糖値、血圧などの項目に「要経過観察」や「要再検査」の文字を見つけたとき、多くの人がショックを受けます。
しかし、40代、50代と年齢を重ねれば、体に何かしらの「ガタ」が来るのはごく自然なことです。
大切なのは、そこで「もう好きなものは食べられない」「旅行にも行けない」と諦めてしまうことではありません。
病気や持病を「敵」として排除しようとするのではなく、人生の「同伴者」として上手く付き合っていく。
FP(ファイナンシャルプランナー)の視点から、健康管理を「我慢」ではなく「豊かな未来への投資」に変える考え方をお伝えします。
「制限」を「新しい楽しみ」に変換する発想術
食事制限や運動習慣の改善を命じられると、どうしても「奪われる」感覚が強くなります。
しかし、視点を少し変えるだけで、それは「新しい食の楽しみ」へと変わります。
1. 「引き算」ではなく「足し算」のレシピ
「塩分を減らす」「糖質を抜く」という引き算ばかりでは、食事の喜びが半減します。代わりに、出汁(だし)の旨味を効かせる、スパイスやハーブを多用する、旬の野菜の甘みを感じるといった「素材の力を足す」工夫を楽しんでみましょう。最近では、持病がある方向けの高品質な低糖質・減塩宅配食も増えており、これらを「プロの味を知る機会」として活用するのも一つの手です。
2. 「管理」をゲーム化する
数値の改善を義務にするとストレスになります。スマートウォッチやアプリを活用し、歩数や睡眠の質、血圧の変化を可視化してみましょう。
数値が安定していく過程を「人生というプロジェクトの進捗管理」と捉えると、意外な達成感が生まれます。
持病と共存しながら「やりたいこと」を叶える工夫
「病気だから旅行は無理」と決めつける必要はありません。今の時代、サポート体制は整っています。
- 移動手段のアップグレード
体に負担をかけないよう、移動をグリーン車やタクシーに変更する。
そのための費用を「健康維持費」として予算化しておきましょう。 - 「休息」をスケジュールに組み込む
旅行中、以前なら1日に5箇所回っていたところを、あえて1〜2箇所に絞り、午後はホテルでゆっくり過ごす。
ゆとりある計画こそが、大人の旅の醍醐味です。
FPの視点:健康は「最大の資産」である
金融資産(お金)を増やすことには熱心でも、健康という「人的資産」の維持を疎かにしては本末転倒です。
治療費は「経費」であり「投資」
持病の薬代や通院費を「もったいない支出」と考えてはいけません。これらは、将来の大きな手術や入院、そして何より「やりたいことができなくなる損失」を防ぐための必要経費です。早期に対処することは、長期的には医療費の総額を抑えること(コストカット)に直結します。
「健康寿命」を買い支える予算取り
「オールA」でなくなった今こそ、サプリメントの活用、ジムへの入会、定期的な整体など、健康を維持するための支出に優先順位を上げましょう。これは、80代になっても自分の足で歩き、美味しいものを食べるための「積立投資」なのです。
Q&A|持病との付き合い方に関するよくある質問
- 食事制限がストレスで、ついリバウンドしてしまいます。
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「100点」を目指さないことが継続のコツです。
平日はしっかり管理し、週末の1食だけは好きなものを楽しむ「チートデイ」を設けるなど、80点の合格ラインを長く続ける工夫をしましょう。 - 健康維持にお金がかかりすぎて、老後資金が不安です。
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無理に高価な健康食品を買い漁る必要はありません。
「適切な医療(保険適用)を受ける」「良質な睡眠をとる」「歩く」といった基本を重視してください。
その上で、支出の優先順位を整理するお手伝いをFPができるはずです。 - 「要再検査」と言われましたが、怖くて病院に行けません。
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放置して悪化させるのが、経済的にも精神的にも最も大きなリスクです。
「早期発見・早期治療」は、あなたのやりたいことを守るための最強の戦略だと考えてください。 - 家族に持病を打ち明けるべきでしょうか?
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ぜひ共有してください。特に食事面での協力は不可欠です。
「我慢を手伝ってもらう」のではなく、「一緒に健康になろう」とポジティブに巻き込むのが理想的です。 - 持病があっても入れる保険はありますか?
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はい、引受基準緩和型の保険など、持病がある方向けの商品も多くあります。
ただし、まずは今ある資産と公的医療保険制度(高額療養費制度など)でどこまでカバーできるかを把握することが先決です。
まとめ
健康診断の「オールA」陥落は、決して人生の「下り坂」の始まりではありません。
- 持病は、自分の体と向き合うための「通知表」。
- 食事や生活習慣の改善を「新しい楽しみ」に昇華させる。
- 健康維持への支出は、人生を楽しむための「戦略的投資」。
数値に一喜一憂するのではなく、その数値を味方につけて、10年後、20年後も「やりたいこと」を諦めない人生をデザインしていきましょう。
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