相続で一番困るのは、「財産が多い家庭」ではありません。
実際、100万円でも揉める。1億円でも揉めない。
違いは「生前に家族で話し合っていたかどうか」です。
先日、葬儀セレモニーを行う業者主催の相続を考えるセミナーに登壇しました。
今回は、「沖縄の相続」で思うことをコラムにしたいと思います。
「財産がないから相続は関係ない」は本当?
「うちは財産なんてないから、相続は関係ないよ。」
相続対策のセミナーをする中で、参加者の皆様から一番言われる言葉です。
でも実は、相続対策は財産が多い人だけのものではありません。
相続“税”対策は、一部の資産家の方が中心になります。
しかし、相続対策は、すべてのご家庭に必要なものだと私は考えています。
なぜなら、相続で一番大切なのは「財産の額」ではなく、「家族が納得できる準備」ができているかどうかだからです。
特に沖縄では、そのことを強く感じます。
沖縄の相続で多い「土地・不動産」の悩み
沖縄の相続資産のうち多くの方が、
土地や建物など不動産を所有されているということ。
相続は「財産を分ける」という単純な話では終わらないことが少なくありません。
例えば、土地。
現金であれば100万円を50万円ずつ分けることができます。
しかし、土地はそう簡単には分けられません。
「実家は残したい。」
「土地活用をして不動産運用がしたい。」
「売却して現金で分けたい。」
それぞれの想いが違えば、話し合いは簡単ではありません。
「では共有名義にしよう。」
一見、平等な解決方法のように思えます。
しかし、共有名義になると、その後の売却や建て替え、大規模な修繕などを行う際には共有者全員の合意が必要になることがあります。
固定資産税は誰が負担するのか。
草刈りや管理は誰がするのか。
空き家になった場合はどうするのか。
時間が経つほど相続人が増え、話し合いはさらに複雑になるケースも少なくありません。
沖縄ならではの相続と家族の価値観
そしてもう一つの沖縄の特徴として、
代々受け継いできた土地。
家族が集まってきた実家。
ご先祖様をお祀りする仏壇やお墓。
それらは財産であると同時に、家族の歴史や思い出が詰まった大切な場所でもあります。
だからこそ、
「売ればいい。」
「平等に分ければいい。」
という単純な話では終わらないことが少なくありません。
沖縄には、長男が仏壇を守る風習や、家督を継ぐという考え方が今も残る地域があります。
一方で、時代の変化とともに、「兄弟姉妹で平等に」という考え方も広がっています。
どちらが正しいということではありません。
「昔から長男が継ぐもの」という考えと、「みんなで平等に分けたい」という考えが混在し、家族の中で価値観が異なることもあります。
大切なのは、ご家族それぞれの価値観を尊重しながら、「わが家はどうしたいのか」を話し合っておくことです。
相続は、財産を分けるためだけのものではなく、家族の想いを引き継ぐことだと思います。
「争族」ではなく「想族」へ
また、相続は「争族」になる家族もあれば、「想族」になる家族もあります。
相続というと、「兄弟で揉める」「裁判になる」といったニュースを目にすることも多く、「争族」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、相続をきっかけに家族関係が悪くなってしまうケースもあります。
しかし私は、相続を通して家族の絆がより深まったご家族にも出会いました。
以前ご相談を受けたのは、二人姉妹のご家庭でした。
お姉様(62歳)は独身で、お子様はいらっしゃいません。
妹様(59歳)は結婚され、お子様(長女31歳・長男27歳)にも恵まれていました。
ご両親は、「二人に平等に財産を残したい」と考えていらっしゃいました。
ところが、お姉様はこうおっしゃったそうです。
「私は子どももいないし、私が亡くなったら、この財産を受け継ぐ人も限られてしまう。だから、妹に受け取ってもらいたい。」
そして、ご自身の相続分を妹様へ譲られたそうです。
すると妹様だけでなく、そのお子様(長女31歳)までがこう話してくれたそうです。
「お母さんの面倒を見るのはもちろんだけど、おばちゃんに介護が必要になったら、私がおばちゃんのことも大切にするからね。」
財産を譲ったからではありません。
お互いを思いやる気持ちがあったからこそ、生まれた言葉だったのだと思います。
私はこのお話を伺ったとき、「相続とは、財産を引き継ぐことだけではないのだ」と改めて感じました。
相続は、お金や不動産だけを受け継ぐものではありません。
家族を思いやる気持ち、感謝の心、そして「これからも支え合っていこう」という想いも、次の世代へ受け継いでいくものなのではないでしょうか。
家族会議が「想族」への第一歩
相続をきっかけに「争族」になってしまうご家族もあれば、相続を通して家族の絆がより深まる「想族」になるご家族もあります。
その違いは、財産の額ではなく、生前に家族でどれだけ想いを伝え合い、話し合う時間を持てたかなのかもしれません。
私が目指したいのは、相続が終わったあとも、「家族で話し合って良かったね」と笑顔で言い合える、そんな「想族」のお手伝いです。
相続は、誰かが亡くなってから始めるものではありません。
家族が元気な今だからこそ始められる、「未来の家族を守る準備」です。
沖縄には、「ゆいまーる」という、助け合いを大切にする文化があります。
相続もまた、法律や税金だけではなく、家族がお互いを思いやり、支え合う気持ちが何より大切です。
だから私は、「相続対策をしましょう」ではなく、
「まずは家族会議を開いてみませんか。」とお伝えしたいのです。
FP事務所みらいのタネがお手伝いできること
FP事務所みらいのタネでは、相続税だけでなく、ご家族それぞれの想いや価値観も大切にしながら、相続やライフプランのご相談をお受けしています。
「何から話せばいいのか分からない。」
そんな方こそ、お気軽にご相談ください。
家族会議のきっかけづくりも、私たちFPの大切な役割だと考えています。
よくあるご質問(Q&A)
- 相続対策は、財産が少なくても必要ですか?
-
「財産が少ないから大丈夫」と思われる方は多いですが、相続で問題になるのは財産の金額ではなく、「どう分けるか」「誰が引き継ぐか」という点です。
特に自宅や土地など、不動産がある場合は分け方に悩むケースも少なくありません。
相続税がかからないご家庭でも、家族で話し合いをしておくことは、とても大切な相続対策になります。 - 沖縄では相続でどのような相談が多いですか?
-
沖縄では、土地や実家、不動産に関するご相談が非常に多い印象です。
「実家を残したい人」と「売却したい人」で意見が分かれたり、ご先祖様のお墓や仏壇を誰が守るのかといった、沖縄ならではのご相談も少なくありません。
法律だけでは解決できない「家族の想い」が関わるケースが多いため、生前から話し合うことが重要です。 - 家族会議では何を話し合えばいいのでしょうか?
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最初から難しい話をする必要はありません。
例えば、- 実家は今後どうしたいか
- 財産はどのように考えているか
- お墓や仏壇は誰が引き継ぐか
- 将来介護が必要になったときはどうしたいか
など、お互いの考えを知ることから始めてみましょう。
「答えを決める」ことよりも、「家族の想いを知る」ことが家族会議の第一歩です。 - 遺言書があれば家族は揉めませんか?
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遺言書はとても有効な対策ですが、それだけで必ずトラブルを防げるとは限りません。
内容によっては相続人が納得できず、感情的な対立につながることもあります。
そのため、遺言書を作成するだけでなく、「なぜその内容にしたのか」という想いをご家族へ伝えておくことも大切です。
法的な準備と家族のコミュニケーション、その両方が円満な相続につながります。 - FPにはどのような相続相談ができますか?
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FPは、相続税だけでなく、ご家族全体のライフプランや資産の整理を含めたご相談ができます。
例えば、- 相続対策を何から始めればいいか
- 家族会議の進め方
- 生前贈与や生命保険の活用
- 老後資金と相続を合わせた資金計画
- 必要に応じた税理士・司法書士・弁護士など専門家との連携
など、ご家庭の状況に合わせて総合的にサポートいたします。
「まだ早いかな」と思われるタイミングこそ、安心して相談できる時期です。家族が元気なうちに準備を始めることで、将来の安心につながります。
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家計管理、貯蓄、保険の見直し、老後資金など、
お金の悩みはご家庭ごとに状況が異なります。
インターネットの情報だけでは
「自分の場合はどうなのか」が分からず、不安が解消されないことも少なくありません。
当事務所では、沖縄県那覇市を拠点に、
ファイナンシャルプランナー(FP)が一人ひとりの状況を丁寧にヒアリングし、
家計全体を整理したうえで、今後の方向性を分かりやすくご提案しています。
オンライン相談のため、全国どこからでもご利用いただけます。
「まだ相談するほどではないかも」と感じている方も、お気軽にご相談ください。

